最近読んで面白いなと思った記事に以下のような記述がありました。
住宅は、その供給が制限されたことで、冷蔵庫や自動車のような耐久財ではなく、債券や美術品、貴金属のような「希少資産」となった。これは、現代の私たちが当たり前と思い込んでいるだけで、1920年代以前の東京やソウルやニューヨークのような、開発業者が簡単に住宅を増やせるような場所では起こり得ない。こうした場所では、〔住宅の〕需要が増加すれば、単に価格が上昇するのではなく、供給の増加ももたらされる。
欧米では住宅供給が過度に制限されているせいで肥満や出生率、不平等、気候変動、賃金上昇などの様々な問題が生じているとのこと。
そういえば、以前イギリスの宅地・住宅価格について記事にしたことがあるのですが、近年の価格高騰は1947年に制定された都市農村計画法(Town and Country Planning Act 1947)によって開発権が国有化されたのが原因みたいです。
過去記事:【需給と価格】イギリスの宅地の実質価格は長期で上昇し続けている
出典:CIVITAS |
住宅供給を過度に制限して人工的な希少性を持たせることで欧米先進国の都市部の実質住宅価格は長期にわたって上昇し続けてきた訳ですが、それによって冒頭の記事にあるように様々な問題を引き起こしてきたので住宅供給を増やして普通の労働者が買える価格にしようという動きも出てきています。
人工的に作られた希少資産はほかにも高級時計やトレーディングカード、美術品などがありますが、たとえば「マジック:ザ・ギャザリング」のカードは最近30周年記念セットの発売でレアカードの価値が希薄化されるではないかという懸念が出ているそうです。
高級時計もコロナ禍でロレックス価格が高騰したらしいですが、ああいうのもメーカーが突如として愚かにも短期的利益のために供給量を増やせば価格は下落するのでトレーディングカードと同じ、脆弱な人工的希少性だと思っています。
(カードよりも作るのが難しいので一気に増やせるものではないのかもしれませんが…)
美術品は作者が死亡していたらもう供給が増えることはないので希少性が落ちることはないかもしれません。
ビットコインは2100万枚という発行上限が決まっていますが、マイニング報酬は2140年頃にはゼロになるのでいずれ発行上限を変更したほうがいいのではという意見もあったりします。
(まあ科学技術がめちゃくちゃ進歩して寿命が伸びたり、肉体なしでも生きられるようになったりしない限り、その頃には私たちはもう死んでいるので今から心配しても意味ないですが。)
自然に存在する希少資産であるゴールドも、海水のなかには50億トンもの金が溶けているそうなので採算を無視すれば理論上は海水から抽出することもできるらしいです。
個人的には希少資産としてはビットコイン、ゴールド、作者が既に死亡している美術品が好きですが、美術品は買うお金もなくて適切な保管場所もないので保有できるのはビットコインとゴールドだけです。
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美術品といえば、私なんか地元の陶器が思い浮かびます。
返信削除加藤幸兵衛のラスター彩の作品なんかあると良いなと思います(なかなか手が出ない)。
好き嫌いがありますが、結構ご高齢ですし、技術がうまく継承されてないように思われるので、亡くなるとそこで終わりになりそうです。
全く知識がないので分かりませんが、陶器も良さそうですね。
削除素人には目利きも保管も難しいので現実的な価格帯だったとしても厳しそうですが…
そういう意味では実物資産のなかではゴールドって優秀だなと思います。
ここ半年程、米国の金利引き上げドル高(容認)政策もあって、価格下落が続いてきましたが、そろそろ下げ止まって上昇に転じそうで期待しています。
返信削除一昨日、久しぶりに田中貴金属の代理店へ行き、時計を買いました。
20年前から数年間、必死に給料やボーナスを貯金して、まとまったお金ができるたび、この時計店を訪れては金貨や500㌘バーを購入していました。時計を買う余裕なんてありませんでした。
そして、時は流れ、先代のご主人は代替わりしていました。
時計の調整のため、先代がいつも座っていた場所に腰掛けたとき、何度も通った昔を思い出しました。
500gって今ではめちゃくちゃ大金ですね…!
削除私だったら買うとしても一回10〜20gくらいが限界かなと思います。
貸金庫を借りるのも割とハードル高そうなので携帯できる重さくらいですかね…