金(ゴールド)は大昔と現在であまり購買力が変わっていないみたいな話はよく聞きますし、長期でみれば期待リターンはインフレ率程度(実質ベースでは0%)になるのかなと長いあいだ何となく思っていました。
しかし、ジェレミー・シーゲルの有名なチャートを見てみても実質リターンが0%だったのはニクソン・ショックくらいまでのことで、直近約50年間では株式に肉薄するほどのリターンを生み出しています。
(といってもゴールドのリターンの大部分は1970年代のものなので、たとえば1980年~現在の約40年で切り取ると実質ベースではほぼ0%になります。)
出典:Portfolio Visualizer |
保守的に考えるとゴールドの期待リターンはインフレ率程度ということにしておくのが無難かとは思いますが、過去50年ではインフレを大幅に上回るリターンを生み出してきたので、楽観的にみれば、SoV(価値の保存手段)や宝飾品需要等は世界の名目GDP成長率と同じくらいに伸びていくと想定しておいてもいいんじゃないかなという気もしています。
ただし、ゴールドも新たに採掘され続けているので、ゴールド自体のインフレ率1.6%を差し引く必要はありそうです。
- 名目期待リターン=世界の名目GDP成長率-ゴールド自体のインフレ率1.6%
(これまで人類が採掘してきたゴールドの総量は約18万トン、対して新たに採掘されているのは年間3,000トン前後だそうなので、ゴールド自体のインフレ率は約1.6%になります。)
米ドル建てゴールドの時価総額と米国の名目GDPは長期では大体同じくらいのペースで成長していると見ることもできそうなので、何となくそれくらいで考えておいても良さそうと思っています。
過去記事:米ドル建てゴールド価格と米国名目GDP
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記事ありがとうございます。今年も1年お疲れさまでした。
返信削除ゴールドのお話しは自分の大好物ですので、とても嬉しいです。
ゴールドに投資を始めた頃(20年ほど前)、金投資の同好者が集まる某掲示板で「本来、1オンス金貨1枚で一カ月生活できる購買力がある」ことを知りました。
今の田中貴金属のメープルリーフ&ウィーン金貨の販売価格は約28万円(当時は4~5万円程度)くらいですから、ほぼ一カ月の生活費相当かなという感じで、20年以上の時間を掛けてここまできたか……と感慨深いものがあります。
ようやくデフレが終わり、インフレに転換したと思われるので、ブログ主様のご意見からすれば、金価格は暫く横ばいが続き、購買力を下回る局面はものの、いずれ大幅な修正があるだろうなと思います。
多分、修正が起きる時期が子供の大学進学と重なると思いますが、それまでは頑張って保有量を維持したいと思います。
こちらこそ、いつも読んでいただいてありがとうございます!
削除一年過ぎるの早いですね…
「1オンス金貨1枚で一カ月生活できる購買力がある」っていうのは初めて知りました。
ちょっと調べてみると、「1オンス金貨があれば現代では高級スーツが買えるが、古代ローマでは元老院議員が着る高価な服が買えた」という話が出てきました。
有事のために1オンス金貨1枚だけ非常用に持ち出せるバッグに入れておいたりとかも良いのかもしれませんね。
まあ有事に真贋を鑑定してくれる人はなかなかいなさそうなので、普通に法定通貨持っていたほうが良いかもしれませんが…
私も現物の金ちょっとずつ買っていきたいです!