全世界のGDPとゴールド年間採掘量


ゴールドは長年にわたってその価値を保ち続けており、「1オンス金貨1枚で一カ月間生活できる購買力がある」とか「1オンス金貨があれば現代では高級スーツが買えるが、古代ローマでは元老院議員が着る高価な服が買えた」みたいな話もあったりします。


ボラティリティは株式よりも高くても、超長期で購買力を保つことが目的であればゴールドよりも堅牢なものはないんじゃないかなと思います。

地上にあるゴールドの86%は過去200年に採掘されたもの

これまでに人類が採掘してきたゴールドの総量は約18万トンと言われています。


ゴールドが使われ始めたのは紀元前3000年代だそうなので、約5000年にわたって採掘されてきたことになりますが、約18万トンのうち86%は過去200年(4%)に採掘されたそうです。

 参考:200 Years of Global Gold Production, by Country


ちょっと意外に感じましたが、調べてみるとゴールドの年間採掘量は全世界のGDPよりも早いペースで成長しているようです。

データ:Our World in Data

1820年〜2015年では全世界GDPが年率2.3%に対して、ゴールド年間採掘量は年率3.2%となっています。


まあゴールドラッシュの凄まじい伸びが大きいので、1900年以降にするとさすがにGDP成長率よりは遅いペースになっていますが、


ゴールドのインフレ率(年間採掘量/それまでに採掘された総量)を推計してみたものをグラフ化すると以下のようになります。
(2015年のゴールドの総量を18万トンとした場合)
世界のGDP成長率(10年ローリング)と並べるとこんな感じです。


ちなみに、前にゴールドの名目期待リターンは「世界の名目GDP成長率-ゴールド自体のインフレ率(現在は約1.6%)」と表せるのでは?という記事を書きましたが、これで期待リターンを計算すると以下のようになります。

名目GDP成長率もゴールドのインフレ率もほぼ0%だった時代はゴールドの購買力はほぼ一定で、近年は実質ベースでプラスのリターンを残しているのは名目GDP成長率が高くなった一方でゴールドのインフレ率が頭打ちになったからともいえるのかなと思います。


可採年数が十数年とか言われるなか、技術革新で可採量が大幅に増えない限りはこの考え方の期待リターンには割と期待が持てそうな気がします。




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