【リタイアシミュレーション】為替リスクと破産確率


前回の記事では米ドル建ての各種ポートフォリオについてリタイアシミュレーションをしましたが、今回は円建てではどうなるかを調べてみました。

 過去記事:FIREに向けてパーマネントポートフォリオを参考にしていきたいが

各種ポートフォリオのドル建て・円建ての実質リターン・リスク

下表はPortfolio Chartsで調べた各種ポートフォリオのドル建て、円建ての実質リターン、リスクです。期間は1970〜2022年です。

※ウェイトの数値には小数点以下を入力できなかったので、All Seasons Portfolioは米国株30%、長期債40%、中期債14%、ゴールド8%、コモディティ8%としています。



円建てリスクは米ドル建てと比べて5〜6%程度高くなっており、特に株式100%や60/40ポートフォリオに比べると、パーマネントやオールシーズンズのようなゴールドを混ぜてリスクを抑えたポートフォリオでより為替リスクの影響が大きくなっています。



モンテカルロ・リタイアシミュレーション

条件はほぼ前回の記事と同じですが、今回のリターンは名目ではなく実質なので、インフレ率はゼロとしています。

(条件:Portfolio Visualizerのモンテカルロ・シミュレーションを使って、年4%固定取り崩し、シミュレーション期間60年、インフレ率0%とした場合)


結果は以下のようになりました。

為替リスクの影響で、円建ての破産確率はドル建てと比べてかなり高めになっています。

また、米ドル建てでは株式50%/長期債25%/ゴールド25%〜株式70%/長期債15%/ゴールド15%が最も破産確率が低いですが、円建てでは株式60%/長期債20%/ゴールド20%〜株式100%はほぼ同じで、長期債やゴールドを組み入れる意義がかなり薄くなっています。

このシミュレーションでは固定取り崩し率は4%ですが、円建てで米ドル建てと互角くらいの破産確率にしようとすると、取り崩し率を3.1%程度まで下げる必要があります。


為替リスクの影響で日本人はアメリカ人よりもFIREしにくいのでは?というのは以前からずっと思っていましたが、為替リスクを加味すると長期債とかゴールドを組み入れたポートフォリオの良さがかなり削られるのは予想以上に大きいと感じました。

 過去記事:【為替リスク】日本人はアメリカ人よりもFIREしにくいのでは


まあこれは1970年以降のデータをもとにしており、固定相場制から変動相場制に移行する過程の為替リスクがかなり大きそうな気がするので、最近ではそこまで差は大きくなさそうではありますが…


また、株式部分では今回は米国株のみにしましたが、米国外もあったほうがリスクは下がるので国際分散すると破産確率はやや下がるはずです。


米国長期債やゴールドは多少はあったほうが良いものの、そこまで多くは要らないかなと改めて思いました。やはり前回記事の結論と同じく、株式80%/長期債10%/ゴールド10%くらいを目標にしようかなと。




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コメント

  1. お疲れ様です。なかなか厳しいですね。10%長期債入れるなら、株100にして、厳しい時期はバイトを増やすというのが自分には現実味がありそうと思いました。

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    1. たしかに完全に無職になるのではなくて厳しそうだったらバイトすれば解決で確実なんですよね…
      私の場合はもうバイトもできればやりたくないなぁと思っているので出費を減らすとかですね…
      ポートフォリオを細かく弄るよりも収支を調整するのが一番だと思います。

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    2. バイトも極力NGでしたか…
      ronaldreadさんは支出が少ない気がしてるので削るとしても食費ですかね?
      最近は畑か釣りをリタイア後の生業にしても良い気がしてきました。(後者はリターンが未知数なので前者になりそうですが…)

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  2. 食費あまり削るのも健康に悪そうなので畑は場所があったらたしかに良さそうですね…!
    自分が食べるものを自分で育てるのにはちょっと憧れがあります。作った経験も場所もないですが…

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