前回の記事では、長期債やゴールド等を組み入れてリスクを抑えたポートフォリオでも、日本円建てでは米ドル建てよりも為替リスク分だけかなりリスクが上がってしまうので、日本人のFIREのほうが難しくなるということを書きました。
今回はPortfolio Chartsで他の国についてもリスク・リターンを調べてみました。
※All Seasons Portfolioは米国株30%、長期債40%、中期債14%、ゴールド8%、コモディティ8%、All Countryは米株60%、米除く先進国株40%、新興国株10%としています。
まずは実質リターンです。
カナダ、イギリス、フランスが高く、スイス、スペイン、オランダが低いです。日本は中間くらい。スイスやスペインみたいに実質実効為替レートが右肩上がりの国では低く、カナダやイギリスのように右肩下がりの国では高くなります。
日本はバブル期に上昇したあと長期下落し続けて1970年代まで戻っているのでアメリカとあまり差がありません。
日本については、衰退シナリオでは長期円安トレンドが続くこともあるんじゃないかなと思っているのですが、そうするとインフレ率に比べて自国通貨安のペースが早くなり、今後の外貨建てポートフォリオの実質リターンは他国よりも高めになる可能性もあるのかなと思っています。
リスクはこうなります。
モンテカルロ・リタイアシミュレーション
前回と同じく、Portfolio Visualizerのモンテカルロ・シミュレーションを使って、年4%固定取り崩し、シミュレーション期間60年、インフレ率0%(実質リターンを使っているので)として、日本、アメリカ、カナダ、スイスの破産確率を調べてみました。
※オールシーズンズ、パーマネント、株式100%だけでは破産確率があまり変わらないので、株式80%長期債10%ゴールド10%も含めています。
カナダは最も悪いパーマネントでも19.1%に対して、スイスは最も良い株式80%長期債10%ゴールド10%でも36.5%とかなり高めです。
有名な4%ルールは30年以上破産しないというものだったはずなので、60年の今回のシミュレーションは厳しめ(ただし税金・手数料は無視)ではあると思いますが、アメリカやカナダで成り立つとしても、日本やスイスでは結構怪しげな感じはします。
また、1970〜2022年のバックテストを使っているため、アメリカが覇権国から転落していくことがあれば今後はまた結果が変わってくるかもしれません。
将来がどうなるのかはさておき、日本が比較的FIREしにくい国というのは変わらないでしょうし、無職になるまでになるべく資産額を積み上げないとなあと改めて思いました。
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