法人税率が下がるとEPSが上昇し、PERが変わらなければ株価は上昇します。
同様に、配当やキャピタルゲインにかかる税金は株価に織り込まれているとするならば、配当やキャピタルゲインにかかる税率が下がると株価は上昇するはずです。
過去記事:米国株の配当課税について
過去記事:過去の高配当株アウトパフォームは配当税率が高かったためかもしれない
今回の記事とはまた別の話ですが、株価に以下のような期待リターンが織り込まれているとすると、総合課税を選択することで投資家全体の平均配当税率よりも低税率を実現できる低所得者にとっては高配当株投資は良い選択肢といえるのでは、と考えています。
- 期待リターン=(1-投資家全体の平均配当税率)×配当利回り+(1-投資家全体の平均キャピタルゲイン税率)×キャピタルゲイン
新NISAと足元の日本株上昇
新NISAは上限枠が1,800万円と大きめなので、日本株の投資家全体の平均税率にもそれなりの影響を与えそうな気がします。
※個人の株式保有比率は2021年度末は16.6%だったそうですが、この数値には投資信託等による間接保有分は含まれていないので、投資信託を含むともう少し保有比率は高くなります。
出典:2021年度株式分布状況調査の調査結果について(JPX) |
一般NISAが始まった2014年は軽減税率終了(10.147%→20.315%)と引き換えでしたし、枠も期間も大したことがなかったので差し引きではマイナスだったはずですが、新NISAは枠も期間も結構インパクトがありますし、足元の日本株上昇のうち一部は新NISAによるものもあるのかなと思っています。
そう考えると、もともと税率が高かったり非課税制度等が整っていない国というのは、株主還元に積極的ではない国と同じで、改善される余地が大きいぶん株価のアップサイドも大きいといえそうです。
逆に言うと新NISAができて株主還元に積極的になったあとの日本株には妙味が小さくなってしまう気がするので、主に恩恵を受けるのは以前から日本株を保有していた人たちなんだろうなと思います。
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地政学の視点からみると、米国が中露と対決姿勢に転換したのならば、米国としては保護国たる日本に冷戦期と同じく、大陸国家に立ちはだかる浮沈空母として機能してもらわなければいけないわけでして……。投資もしまくり、株価もテコ入れとなるでしょう。今現在、株価はバブル期に迫る勢いですが、30年前のように急激に崩壊しないような気がします。
返信削除ただ気になる点があるとすれば、自然災害とりわけ震災クラスの地震の発生の可能性で、地政学的に日本株は買いだと分かっていながら、これが気になって日本株は殆ど保有できずにいます(保有銘柄はXOMのみ。あとは金現物)。
地政学リスクの点での日本株買いも新NISAも既に株価に織り込まれているでしょうから、ここからさらにというのはどうなんだろうなあと思っています。
削除指標的にはバブル期とは比較にならないリーズナブルな水準ですが、たしかに災害は気になりますね…
災害で自身の生活が破壊されるのでさらに資産もダメージを受けてほしくないというのが日本株アンダーウェイトの理由です。
返信ありがとうございます。今後の株価は、主様のおっしゃる通り、さらなる上昇には何か強い力が必要かと思います。
返信削除直近の株価は、広島G7後に衆議院の解散総選挙を実施する観測もあって、無理やり上げた印象もあり、現在総選挙が見送られそうな雰囲気ですので、さらなる上昇は打ち止めになりそうです。
それよりも、昨日政府が韓国に100億ドルの通貨スワップを供与する旨の報道がありました。
半島への一方的な利益供与は、古代から続く半島に係るあの「法則」が発動しかねず、今後いかなる災いが我が国に降りかかるか心配でなりません。結構マジで心配してます。
アノマリーは解散総選挙以外にもたくさんありますけど、実際のところどうなんでしょうね。
削除今回もそれで上がってた雰囲気もそんなになさそうでしたが、見送りでちょっと下がってたような気がするので多少は影響あるのかもしれませんね。
足元の上昇はほぼPER拡大によるものなので、継続的なEPS上昇に期待したいところです。