日本円が購買力平価や実質実効為替レートでみてかなり安く見えるのは、純粋に割安なのか、相対的な所得水準低下を反映している構造的なものなのか、という記事を2年前に書きました。
過去記事:日本円は単に割安なのか、相対的な所得水準低下を反映しているのか
あれからさらに円安が進行していくなか、日本円が安くなっているのは後者の要因が大きいんじゃないかなという気がしています。
一人当たりGDPの超長期推移をみてみると、日本は江戸時代まではヨーロッパ諸国はおろか、中国やインドよりも低かったようですし、むしろ今の日本の国際的な位置も長い歴史のなかでは相当高い方で1990〜2000年頃が分不相応に高すぎただけなのでは…とも思えてきます。
(このグラフではイングランドや日本が長期右肩上がりになっているのに対して、南ヨーロッパや中国、インドは直近30年の日本が可愛く見えるほどの長期停滞に陥っています。)
出典:社会実情データ図録 |
インドの代わりにイタリアとオランダが入っているものもありました。
出典:Economist.com |
今は一応ヨーロッパの最低レベルくらいで歴史的にみると高い方なんだと思うとそこまで悪くない気がしてきました。
逆に1990〜2000年くらいのときは日本の購買力が高すぎる異常事態だったのかもしれません。
よろしければ応援クリックお願いします
東インド会社に続いての歴史シリーズありがとうございます。
返信削除歴史好きにはたまらん内容で読み応えがありました。
1700年代以降の中国の一人当たりGDPの急落の原因は、調べてみると人口の急激な増加によるもので、ある一定時点を基準に家族が増えた分の人頭税(丁銀)を課税免除したことによるものだそうです。日本でいうと何に相当するのかな?。子どもの教育費&医療費の完全無償化に相当するのかな……。
私はあまり今まで歴史に興味を持っていなくて最近そういう本読んだりしていて面白いなあと思っています。
削除中国は人頭税の話は初めて知りました。
実質的に人口が急増したというよりは課税対象になっていない子供が一気に把握されるようになったみたいな感じですかね。
秀吉の時代に人口が圧倒的に多い明を征服しようと思うくらいだったのに一人あたりGDPは江戸時代にやっと抜いたというのは不思議に感じましたが、実際の人口で考えるともっと前に抜いていたのかもしれませんね。
日本は教育費無償化くらいではそこまで影響は大きくなさそうな気がしますが、中国では一人っ子政策に似てると思いました。