米国株はずっと年率7%弱の実質リターンを生み続けてきたという話に対して、でもそれはせいぜい150年程度のことなので今後も同じだとはいえないよね、というもっともな反論があります。
しかし、年率7%弱の実質リターンは米国に限らず、資本主義が正常に機能している他の国でも一般的にみられてきたことですし、ピケティによると資本収益率は2000年以上にわたって4〜5%で安定推移しているので、個人的には今後もやはり7%弱を期待していて良いんじゃないかなと思っています。
過去記事:長期上昇トレンドへの信仰心
逆に全世界に分散した株式において長期上昇トレンドが崩れるとしたら、核戦争とか、人類の大部分が死亡するパンデミックとか、全世界で共産主義革命みたいなのが起きて私有財産が没収されるとか、極端なテールリスクを考えないといけないんじゃないんでしょうか。
14世紀のペスト大流行ではヨーロッパの人口の1/3が死亡したそうですが、そこまでいってもむしろ労働力不足による技術革新でルネサンスにつながったみたいなのもありますし、二度の世界大戦を経ても米株をはじめ壊滅的な被害を受けなかった国の株式は右肩上がりでしたし、戦争やパンデミックによって自分自身が死亡する可能性は無視できなくても、株式が駄目になる可能性はかなり低そうです。
(今までもあったような、20〜30年程度にわたって横ばいみたいなのは普通にありそうですが。)
まあ海外株式が問題なくても、敗戦後の日本みたいに預金封鎖と資産課税とか、そこまでいかなくても金融所得課税強化とかで実質的に自国に没収されるリスクはあるかもしれませんが、それも相当極端なんじゃないかなという気がします。
そういうテールリスクにはビットコインや(ポータビリティでは圧倒的不利ではあるものの)ゴールドはかなり有効なはずで、一応私は株式以外にもオルタナティブ資産としてある程度保有していますが、平時でも働くのがつらくてFIREしたいと言っている人間が極端な状況に置かれてまともに適応できるとも思えないので具体的にどうするかとかも一切考えていませんし、実際に巻き込まれたら成り行きに任せて諦めるしかないと思っています。
貧困FIREをしようと思ったら国外脱出は厳しいので日本がなんとか頑張ってほしいです(他人事感)
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>ゴールドはかなり有効なはずで、一応私は株式以外にもオルタナティブ資産としてある程度保有しています
返信削除この点に関して、ウクライナ侵攻を契機にして、ロシア制裁の名目で、ロシアが持つドルを決済に使いにくくしたため、ロシアは産金国である特徴を生かして、ルーブルにゴールドの担保性を持たせたり、アラブ首長国連邦経由でゴールドを各国に輸出して軍事と経済を回しています。
アメリカがロシアに対し国際決済通貨ドルを武器にしたことに対し、拡大BRICSがドル離れし、ゴールドなどを担保とした決済通貨を模索しているのは周知のとおりです。
このような情勢の中で、ゴールドを一部ポートフォリオに組み込む場合、ゴールドの現物でなくてはだめで、ETFだと心細いとお考えでしょうか。
ゴールドの急騰はドル危機にもつながるので、アメリカはゴールド価格暴騰を防いでいるとも言われますので、金ETFも実物の裏付けがあることにはなっていますが、十分な裏付けを持っていないと思います。
しかし所得税法上、ETFは損益通算しやすいですが、現物の金の売却益は臨機応変に出しにくいです。
記事で書いたテールリスクではETFで持っていても株式と同じになってしまうので心細いというよりは現物じゃないと役に立たないですが、普通にゴールド価格に連動すれば良いだけならETFで良いんじゃないでしょうか。
削除(まあ現物でも持って国外に逃げたりはできなさそうなので国内限定ですが…)
ゴールドETFのカストディアンが信用できないという話だと、他の金融機関も信用できないので証券ではなく全て現物資産にしないといけなくなると思いますが、そこまで極端に考えると生きていくのがかなり難しくなりそうですし…