米政府債務(対GDP比)と米債券のリターン


前回、前々回の記事では1794~2019年の米国株と債券の実質リターンについて書きました。

 過去記事:米国株の債券に対する超過リターンは不安定

 過去記事:昔の米債券は株式並みのリターンだったらしい


今回はLongtermtrendsというサイトにあった米政府債務(対GDP比)の超長期データと前回記事で使った米債券の実質リターンを並べてみました。

1850年前後は対GDP比政府債務が0%台だった時期もあったみたいです。

これを見る感じでは対GDP比の政府債務が少なかった時期は債券の実質リターンが高く、政府債務が膨らんだあとは実質リターンも悪化しているようにも見えます。

対GDP比の政府債務と債券の将来30年間の実質リターン(CAGR)を並べると以下のようになります。

前々回の記事では以下のようなことを書いたのですが、株式市場時価総額やゴールド時価総額とは違って債券市場時価総額は対GDP比でかなり振れ幅が大きいので、こういう考え方はあまりできないかもと思い直しました。

以前、「長期的には株式市場時価総額もゴールド時価総額も名目GDP成長率程度になるはずだが、株式には自社株買い・配当があってゴールドには新規採掘分の希釈があるので長期的には株式リターン>GDP成長率>ゴールドのリターンになる」という記事を書きました。

これでいうと債券市場時価総額も(最近はずっと増加傾向ながら)超長期的には名目GDP成長率程度に落ち着くはずとすると、株式と債券のリターンでどちらが上になるかは「株式の配当+自社株買い」vs「債券の利子」でどちらが上になるかと言い換えることもできるはずで、そうなると債券のほうがある程度長い期間でアウトパフォームする可能性があるとも言えるのかもと思いました。

 過去記事:昔の米債券は株式並みのリターンだったらしい


全世界株式市場時価総額やゴールドは対全世界GDP比で一定の範囲で行ったり来たりしているように見えるので、対GDP比でなんとなくの割高感/割安感を計ることができるんじゃないかなと思います。




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