【1870年~2015年】各国の短期国債、長期国債、株式、住宅の実質リターン


アンティ・イルマネン著『期待リターンII』に載っていた『The Rate of Return on Everything, 1870–2015(PDF)』という論文によると、超長期のグローバルの短期国債、長期国債、株式、住宅の実質リターンと名目リターンは以下のようになっているようです。



国と期間です。

実質リターン(幾何平均)は全期間で住宅(6.62%)>株式(4.66%)>長期国債(1.97%)>短期国債(0.83%)、1950年以降では住宅(7.08%)>株式(5.66%)>長期国債(2.32%)>短期国債(0.82%)となっています。

このデータでは住宅はリスクが低いにもかかわらず株式を上回るリターンということになっていますが、『期待リターンII』では「経年劣化による品質低下等を考慮すると実質キャピタルゲインはマイナスでトータルリターンは株式を明確に下回るのでは?」みたいなことが書かれていました。

意外に感じたのは債券で、米国に限れば1950年頃までは株式と債券ではほとんどリターンに差がなかったというデータもあるのですが、この論文では株式と長期国債でかなり大きな差が出ているので1950年までに限ったとしてもそれなりに大きな差がついていそうです。

ちなみに各国の株式と住宅の実質リターンは下表です。


全期間の株式と住宅の実質リターンをグラフ化(株式の降順)するとこんな感じになります。

ジェレミー・シーゲルの1900年以降のデータではイタリア、フランス、ドイツあたりはかなり低かったと思うのですが、こちらはフランス株式、ポルトガル株式、イタリア住宅以外はすべて5%超となっています。算術平均ですが。
(ちなみに日本は住宅6.54%、株式6.00%で住宅のほうが高いです。)

こういう超長期のデータをみると、株式や住宅のようなある程度の高リスク資産の長期保有はやっぱり報われると思って良さそうと改めて思いますね。

そしてハイイールド債とか新興国債とかリスクの高い債券も報われると同様に考えることもできそうですが、米国債券も金本位制と管理通貨制でかなり大きな差があったことを踏まえると通貨が怪しい新興国債はやっぱり微妙なのかなという気もします。



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