ETF化することで失われるメリット


ブラックロックがビットコインについてのレポートで、伝統的なカウンターパーティーリスクがなく、中央集権的なシステムに依存せず、地政学リスクから切り離されていると書かれています。

Bitcoin, as the first decentralized, non-sovereign monetary alternative to gain widespread global adoption, has no traditional counterparty risk, depends on no centralized system, and is not driven by any one country’s fortunes.

These properties make it an asset that is largely detached (on fundamentals) from certain critical macro risk factors, including banking system crises, sovereign debt crises, currency debasement, geopolitical disruption, and other country-specific political and economic risks. 

引用:Blackrock

これは全くその通りなのですが、この利点ってIBIT(現物ETF)にすることで失われてしまうんですよね。


ゴールドも全く同じで、ゴールドに対して真に強気であればあるほどゴールドETFはこういったメリットが消失してしまうので選択肢から外れるんじゃないかなと思います。


ビットコインやゴールドそのものだけは助かるけれども伝統的な金融資産は死ぬというシナリオは考えられるものの、ビットコインETFやゴールドETFは助かって伝統的な金融資産だけが死ぬシナリオってほとんど考えられない気がします。

(短期間価格が暴落するとかいう意味ではなく、国家による資産凍結・接収とかそういう極端なシナリオです。)


伝統的な金融資産との相関が低いアセットとしてポートフォリオに組み入れることでリスクリターンを改善という意味ではとてもメリットがありますが、カウンターパーティーリスクがなく地政学リスクから切り離された資産として保有するならETFでは意味がないと思うので、極端なシナリオに備えるという意味では役に立たない微妙なものになっているように思うんですよね。


特にゴールドに関してはいくら低相関のアセットとはいえ相当割高感があるので価格をトラッキングするだけのETFはかなり魅力が薄れてしまうように感じています。

 過去記事:ゴールドの今後のリターンはかなり悪そうな気がする




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