ゴールド価格と米名目GDPを比べてみた


ジェレミー・シーゲルの有名なチャートではゴールドのインフレ調整後リターンは1%未満となっていますが、1971年のニクソンショック以降ではかなりの高リターンを記録し続けています。

最新は特にパフォーマンスが良いので、○年以降でゴールドが米株をアウトパフォームしている(たとえば米株が割高&ゴールドが安値だった2000年が起点だったり)みたいなチャートもよく見かけるようになりました。

しかし、私としては長期的にはゴールドの時価総額の成長率が概ね名目GDP成長率程度に収束すると思っているため、ゴールドのリターンは毎年新たに採掘されて希薄化するぶんだけ名目GDP成長率を下回るはずで、株式リターンには遠く及ばないだろうと思っています。

ということで、今回はとれる範囲で最長のデータを使ってゴールド価格と米名目GDPを比べてみました。
(データはゴールド価格がNMA、米名目GDPがWikipediaとFREDを繋ぎ合わせて作ったので正確ではないですが、おおまかに見るには問題ないかと思います。)

まずは1833年=1とするとこんな感じです。金本位制下でゴールド価格が固定されていた前半で大きく差がついてしまっています。

1920年=1とすると差はかなり縮まりました。年率換算ではゴールドが4.9%、名目GDPが5.8%です。
(この間のゴールドの毎年の希薄化は確実に年率1%以上なので、この期間では時価総額ベースではゴールド>名目GDPになっているはずです。)

1960年=1とすると割と良い感じになります。

30年ローリング上昇率はこうなりました。30年では米名目GDPを上回っているのは1980年代と2020年代だけで、その他の時期はゴールドのほうが低いです。

今まで通りであればゴールド価格は対米GDP比でかなり割高になっているので将来のリターンは期待できないということになりますが、米ドルが基軸通貨としての役割を失っていく過程なのだとするとThis Time Is Differentということになるのかもしれません。



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