ADR(米国預託証券)の配当を受け取る場合、現地源泉税率のほかにADR手数料というものが徴収されます。
(過去記事:外国株の現地源泉徴収税率)
たとえば、SBI証券の場合は以下のように「外国手数料」として徴収されています。AZN(アストラゼネカ)の場合、609株で$1.38なので、1株当たりだと$0.02です。配当に占める割合は約2.1%ですね。
現在は使っていないのですが、過去にマネックス証券を使っていたときは、下画像のように「ADRテスウリョウ」として引かれていました。
楽天証券の場合、配当案内書にはADR手数料の項目がなく、「申告用国外税率」にまとめられているので注意が必要です。
(過去記事:楽天証券でADR銘柄の配当を受け取るときの注意点)
ADR管理手数料の一覧
下の表は今まで私が受け取った配当のADR手数料です。※ADR手数料(1株当たり)、配当(1株当たり)は直近のものです。
ADR手数料が配当に占める割合は1%前後のものが多いですが、BUDは5.7%もとられてしまいます。特にBUDはベルギー株で現地源泉税率が30%なので、手取り配当額はかなり小さくなってしまいますね。
どういう基準で決まっているのかなと思い、 20-F(外国企業の年次報告書)をみると以下のように書かれていました。
※Wikipediaによると、ADSはAmerican Depositary Shareの略で、ADRにのうちニューヨーク証券取引所やNASDAQに上場しているもののことを指すそうです。
・AZN : Up to $5.00 for each 100 ADSs (or fraction thereof)
・BP : US$0.005 per BP ADS per quarter per cash distribution.
・HSBC : $0.02 or less per ADS
・RDS.B : $5.00 or less per 100 ADSs (or portion of 100 ADSs)
今のところ、HSBCとRDS.Bは一度も徴収されていませんが、HSBCは1株当たり$0.02以下、RDS.Bは100株当たり$5.00以下と書かれています。AZNも100株当たり$5.00以下と書かれていますが、今回徴収されたのは1株当たり$0.02なので、「or less」と書かれている場合は実際に配当を受け取るまで分からないようです。
BUD(アンハイザー・ブッシュ・インベブ)は以下のように書かれています。
The greater of (a) $0.02 per ADS (or portion thereof) and (b) 6% of the cash distribution amount per ADS「1株当たり$0.02」と「現金配当金額の6%」のうち大きいほうの金額を徴収されるそうです。BUDの直近では配当額は$2.193に対してADR手数料は$0.125なので、やはりだいたい6%ですね。
ADRは手軽に米国外に投資できて便利ですが、配当にかかるADR手数料が高い銘柄もあります。購入時には事前にどれくらい取られるのかをチェックしておいたほうがいいと思いました。
追記:ADR手数料については以下の方法で調べることができます。
(過去記事:ADR手数料を調べる方法)
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