世界各国の配当性向比較(2018年7月末時点)
StarCapital AGのPERと配当利回りのデータから配当性向を計算すると、以下のようになります。表は配当性向の昇順です。(配当性向=1株当たり配当÷1株当たり純利益=PER×配当利回り)
ニュージーランド、フィンランドは配当性向80%を超えている一方で、韓国、アイルランド、日本は20%台と国によって差がかなり大きいです。
全世界は43.8%、先進国は43.4%、新興国は44.6%で、これはあまり差がないようです。米国は38.5%と低めですが、これは配当よりも自社株買いによる株主還元が多いためで、総還元性向(配当+自社株買い)では他国よりも優れていると思われます。
(本当は総還元性向も併せて比較したかったのですが、自社株買い性向のデータは見つけられませんでした。)
日本は配当性向30%で横並びの企業が多いという話をよく聞きますが、たしかにほぼ30%になっています。
配当性向を縦軸、PERを横軸にグラフ化してみると、低PERほど配当性向が低く、高PERほど配当性向が高い傾向にあるようです。
新興国の配当性向比較(2018年7月末時点)
新興国株と先進国のPERを比較すると、ほとんどの期間で新興国のほうが低いです。新興国ディスカウントの原因として、政治リスクや為替変動リスク、流動性リスク等が挙げられるかと思いますが、他にも新興国企業は株主還元意識が低いからという話を聞いたことがあります。
(配当性向のみを比べるとむしろ新興国のほうがやや高いくらいでしたが、自社株買いを含めた総還元性向では先進国のほうが高いんだろうなと思います。)
新興国なので株主還元よりは増資、設備投資して成長するくらいのほうが良いのかなとも思いますが、それが株主のリターンに繋がるかどうかは分からないので、私は新興国株ETFとしては時価総額加重平均のVWO(バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF)よりも配当加重平均のDGS(ウィズダムツリー 新興国小型株配当ファンド)を好んでいます。DGSの場合は配当加重平均+小型株効果を狙ってのものですが・・・
(過去記事:DGS(ウィズダムツリー 新興国小型株配当ファンド))
新興国の個別国に投資する場合でも、できれば株主還元がしっかりしている国のほうが良いんじゃないかなと思います。自社株買い性向が分からないので片手落ちな感じはしますが、先程の表から新興国株の配当性向を抜き出してみました。
チェコ、マレーシア、台湾、ブラジル、南アフリカは配当性向が高く、ハンガリー、ポーランド、トルコ、中国、フィリピン、インドは低いです。
チェコは低CAPE(10.2)かつ配当性向も高いですが、残念ながらチェコ株ETFがないので投資することができません。国内ネット証券で取扱いのあるETFのなかで最もチェコ株のウェイトが大きいのはDGSですが、ウェイトは僅か1.06%です。
私は低CAPE戦略としてロシア、トルコ、ポーランドに投資していますが、どれも配当性向は低めです。特にロシア株は低PERなので、配当性向が新興国並みになれば配当利回り約6%でとても魅力的なのになと思います。ロシア株の現地源泉税は15%(のはず)なので、税引き後配当は約68%になってしまいますが・・・
配当性向が高いロシア株として、今月から携帯電話最大手MBT(モバイル・テレシステムズ)を買い始めましたが、信用格付けがBBで投機的水準なのが少し気になるところです。(過去記事:【高配当ロシア株】MBT(モバイル・テレシステムズ))
よろしければ応援クリックお願いします
これは良い記事でした!
返信削除総還元性向までわかればほんと良かったですけど、データが見つからないのじゃしかたないですよ
手間もかかった記事でしょう、その分とても参考になりましたよ
ありがとう!
ありがとうございます!
削除参考になって良かったです。
総還元性向についてはまた調べてみようと思っています。