ARCC(エイリス・キャピタル)の配当利回りが10%超まで上昇


高配当利回りで注目しているBDC最大手ARCC(エイリス・キャピタル)の配当利回りが10.6%まで上昇しています。
※BDCはビジネス・デベロップメント・カンパニーの略で、未上場の中小企業や新興企業に投融資し、利益の90%以上を配当することで法人税の優遇措置を受けており、高い配当利回りが特徴です。
(過去記事:ARCC(エイリス・キャピタル)は次の弱気相場で買いたい

ARCCの配当利回りは2016年初12%近くにまでなっていましたが、ここ数年ではかなりの高水準です。
出典:Zacks
(過去記事:ファンダメンタルチャートが無料で見られるサイト

リーマンショック時の暴落ぶりは凄まじく、2009年3月には配当利回りが約50%になるまで叩き売られていましたが、今回はさすがにそこまでいかないんじゃないかなと思うので、11~12%くらいになったら打診買いしてみるかもしれません。サクソバンク証券のDRIPを試してみたいです。

四半期配当は長らく$0.38で据え置かれていましたが、2018年9月から$0.39に引き上げられています。

ARCCのローン・ポートフォリオは変動金利が93%、固定金利が6%である一方、借入金はすべて固定金利なので、LIBOR上昇の恩恵を受けます。LIBORが100bps上がると1株当たり配当が$0.17増えるそうです。
(ちなみに前回調べたときはローン・ポートフォリオが変動金利90%、固定金利9%、借入金が変動金利11%、固定金利89%だったので、より金利上昇の恩恵を受けるようになっていると思われます。net debt to equityも前回0.69x→今回0.54xに下がっています。)
出典:ARCC November 2018 Equity Investor Presentation
なお、PBRも0.86とかなり低水準になっています。
出典:Zacks
ただし、BDCはREITと同じく利益のほとんどを配当しており内部留保がないため、資金調達は増資か借入で行う必要があります。

低PBRというとお買い得に思えますが、経常的に増資し続ける必要があることを考えると、PBR1割れ(≒1株当たり純資産よりも株価が低い)状態が続くのは既存株主にとってはあまり喜ばしいことではないと思います。この辺のところはまだ理解が進んでいませんが。

MAIN(メイン・ストリート・キャピタル)はPBR1超

BDCでもうひとつ注目しているMAIN(メイン・ストリート・キャピタル)はPBR1.31なので、増資による希薄化という意味では心配がなさそうです。また、MAINのS&P信用格付けはBDCのなかで最も高い「BBB」というのも良いところです。
出典:Zacks
MAINの配当利回りは7.2%、2013年以降毎年出ているSupplemental Dividendsを加味すると8.7%です。利回りだけ見るとARCCに比べると少し劣ります。
(過去記事:高格付BDCのMAIN(メイン・ストリート・キャピタル)


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