(過去記事:NGE(グローバルX MSCIナイジェリアETF))
パキスタン株は1994年~2008年にはMSCI新興国市場指数に採用されていたそうですが、2008年にMSCIフロンティアに格下げされ、2017年に再びMSCI新興国に格上げされました。
今回はMSCIパキスタンに連動するPAK(グローバルX MSCIパキスタンETF)について調べてみました。なお、NGEと同じく国内ネット証券ではサクソバンク証券でしか取扱いがないと思います。
PAK(グローバルX MSCIパキスタンETF)
バリュエーション等比較
PAKの経費率は0.87%と高めです。銘柄数は少ないですが、PERは低く、配当利回りも高いです。 ただし、AUMは$33.84Mと小さく、ETF.comのFund Closure Riskは「High」になっています。ちなみにNGEは「Medium」です。(過去記事:ETFの繰上償還リスクについて)
セクター比率
新興国らしく金融・素材・エネルギーのウェイトが高いです。個人的には人口増加・生活水準向上の恩恵を受けやすそうな生活必需品、一般消費財、公益セクター等が高いほうが好きなので、PAKはセクター構成的には微妙ですね。
組入上位10銘柄
組入上位は銀行、石油・ガス、肥料、セメントなどが並んでいます。NGEはネスレ・ナイジェリアやギネス・ナイジェリア(ディアジオ子会社)、ユニリーバ・ナイジェリア等、欧州生活必需品の子会社が結構入っているのですが、PAKにはそういった銘柄がありません。
ちなみにパキスタンは日本車のシェアが非常に高いようで、トヨタとHabib財閥の合弁会社Indus Motor Company、ホンダのHonda Atlas Car、スズキのPak Suzuki Motorsが組み入れられています。
経常収支(対GDP比)
経常収支は慢性的に赤字です。パキスタンには豊かな天然ガス資源がある一方で石油はほとんどを輸入に頼っているため、石油価格が上昇すると貿易赤字が拡大します。出典:世界経済のネタ帳 |
インフレ率推移
インフレ率は2009年には20%近くまで上昇しましたが、この数年間は落ち着いています。ただし、ジェトロによると2017年7月〜2018年5月の11ヶ月平均インフレ率は食品や石油を除くと5.7%(総合では3.8%)となっており、今後ルピー安や原油価格上昇に伴うインフレ高騰が懸念されているそうです。
現在のパキスタンの10年国債利回りは13.12%なので、イールドスプレッド(10年国債利回り-株式益利回り)は13.12%-12.89%(PER7.76)=0.23%となります。
出典:世界経済のネタ帳 |
MSCIパキスタンの過去パフォーマンス
出典:MSCI PAKISTAN INDEX (USD) |
MSCI Pakistanの2000年12月末~2019年2月末の年率ネットリターンは9.48%で、MSCI Emerging Markets(9.08%)やMSCI ACWI(5.10%)を上回っています。
今のバリュエーションでパキスタン株に長期投資すれば報われるんじゃないかなと思いますが、規模が小さいため次の弱気相場で繰上償還されてしまわないかが気になるところです。
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