60/40ポートフォリオとオールシーズンズ・ポートフォリオのボラティリティ(ドル建て・円換算)


先日、米国株と全世界株について、ドル建てと円換算ではどれだけボラティリティが違うのかという記事を書きました。
  過去記事:【為替ヘッジの必要性】米国株(ドル建て・円換算)の12カ月ローリング・ボラティリティ

今回はその続きとして、60/40ポートフォリオ(株式60%債券40%の伝統的なもの)とオールシーズンズ・ポートフォリオ※について、同様にドル建てと円換算のボラティリティを調べてみました。
※オールシーズンズ・ポートフォリオはアンソニー・ロビンズ 著「世界のエリート投資家は何を考えているのか」に載っている、レイ・ダリオの個人投資家向けポートフォリオです。
 過去記事:レイ・ダリオのオール・シーズンズ戦略

期間は2006年8月末~2019年9月末で、Portfolio Visualizerの月次リターンとFREDのドル円を使って調べました。

60/40ポートフォリオの12カ月ローリング・ボラティリティ

まずは60/40ポートフォリオの12カ月ローリング・ボラティリティです。

60/40ポートフォリオはVBINX(Vanguard Balanced Index Fund Investor Shares)を使いました。
(ちなみにVBINXの債券部分の平均デュレーションは2019/9/30時点で6.2年となっています。バックテストではAGG(iシェアーズ・コア 米国総合債券市場 ETF)やBND(バンガード・米国トータル債券市場ETF)を使った場合とほぼ同じ結果になりました。)

ドル建てと円換算の比較

ドル建てでは最小値2.16%、平均値8.23%、最大値20.38%、円換算では最小値4.49%、平均値13.59%、最大値25.12%となりました。

IVV60/TLT40ポートフォリオの12カ月ローリング・ボラティリティ

VBINXは債券部分のデュレーションが短いので、債券部分に長期米国債ETFのTLT(iシェアーズ 米国国債 20年超 ETF)、株式部分にIVV(iシェアーズ・コア S&P 500 ETF )を使った60/40ポートフォリオについても調べてみました。なお、リバランスは年1回の設定です。

ドル建てと円換算の比較

ドル建てでは最小値2.88%、平均値7.79%、最大値21.83%、円換算では最小値4.54%、平均値12.12%、最大値24.48%となりました。

伝統的な60/40ポートフォリオよりもこっちのほうが良いですね。

オールシーズンズ・ポートフォリオの12カ月ローリング・ボラティリティ

次はオールシーズンズ・ポートフォリオ(下図)です。リバランスは年1回の設定です。

ドル建てでは以下のようにリーマンショック時もほぼ無傷で乗り切っていますが、円換算では同期間の最大ドローダウンは-25%程度でした。
 過去記事: 円換算したオールシーズンズ・ポートフォリオ

ドル建てと円換算の比較

ドル建てでは最小値2.93%、平均値6.63%、最大値18.63%、円換算では最小値4.89%、平均値9.70%、最大値22.01%となりました。

S&P500との比較

最後にS&P500と比較してみました。

ドル建て

平均値はS&P500(IVV)が13.32%、60/40が8.23%、IVV60/TLT40が7.79%、オールシーズンズが6.63%です。

円換算

平均値はS&P500(IVV)が18.09%、60/40が13.59%、IVV60/TLT40が12.12%、オールシーズンズが9.70%です。

円換算ボラティリティ-ドル建てボラティリティ

円換算ボラティリティとドル建てボラティリティの差を比べてみました。
平均値はS&P500(IVV)が4.77%、60/40が5.36%、IVV60/TLT40が4.32%、オールシーズンズが3.07%です。

オールシーズンズ・ポートフォリオは円換算とドル建ての差が小さいので日本人投資家にとっては特に有用なのかもしれません。


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