カントリーETFのNAVは実勢レートではなく公式レートで計算されている?


2020年8月29日追記
8月29日の記事でNAVを自分で計算してみましたが、公式レートで計算しているというのは勘違いでやはり普通に実勢レートで計算しているようです。

以前、NGE(グローバルX MSCIナイジェリアETF)がNAVに対して大幅にディスカウントで取引されているという記事を書きました。
 過去記事:NGE(グローバルX MSCIナイジェリアETF)、大幅にディスカウントで取引される

長らく不思議に思っていたのですが、(たぶん)解決しました。

公式レートと実勢レート

ナイジェリアナイラには公式レートと非公式の実勢レートの二種類が存在し、現在はUSD/NGNの公式レートが361に対して、実勢レートは387.5となっています。

たぶんNGEのNAVは公式レートで計算しているのに対して、ETFは実勢レートで取引されているんじゃないかなと思うんですよね。

そう考えると、理論上のETFの取引価格はNAVに対して6.8%ディスカウントになります。
(6/17時点では12.79%ディスカウントなので為替レートで説明がつくよりも大きな差がついていますが…)

NGEのディスカウントとUSD/NGNレートをグラフ化すると以下のようになります。

ちょっと分かりにくいのでNGN/USDに変えてみました。
大幅なディスカウントが始まった時期とナイジェリアナイラの実勢レートの下落が重なっています。実勢レートが下落し始めるよりも前にNGEのディスカウントが起きているのが面白いですね。

そういえばコロナショックでも債券ETFの価格がNAVに対して大幅にディスカウントで取引されるという珍事?がありました。これも現物の債券市場の流動性がなくなったことで起きたそうです。もとの資産の正常な価格がよく分からないときでもETFはだいたい妥当な価格で取引されるという点でNGEと似たような感じですね。

ナイジェリアのように為替レートに二重価格が存在する国のカントリーETFのNAVを見る際には注意しないといけなさそうです。


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