ビットコインは利便性で買われていないからこそデジタル・ゴールドとして強気


私は全くビットコインについて勉強していないので的外れかもしれませんが、2017〜2018年頃は利便性や革新性が盛んに謳われて「暗号通貨が世界を変える」みたいな個人の熱狂があったのに対して、今はそうした熱狂は薄れて純粋に投資(投機)対象として買われているような気がします。


以前は中央銀行のデジタル通貨や頓挫したFacebookのLibraのような、より利便性の高い通貨が登場すればビットコインは駆逐されるのでは?と考えていました。


しかし、最近はビットコインは利便性で買われている訳ではなく、ゴールドと同じように「みんなが価値があると信じているから価値をもつ」共同幻想によって高い価格がついているからこそ、よく言われる「デジタル・ゴールド」として有望なのではと思うようになっています。

 過去記事:ミレニアル世代のジュエリー離れとゴールドのバブル


利便性で買われているとしたらビットコインよりも利便性に優れた通貨の登場で価値を失うはずですが、共同幻想によって成り立っているとしたらその心配はないかもしれません。


ビットコインよりも強固な共同幻想を築くものが登場すれば無価値になるかもしれませんが、後発組がビットコインのブランド力とネットワーク効果を凌駕するのは難しそうな気がします。


先進国に住む一般人の感覚では未だに怪しい投機対象みたいなイメージが多いように思えますが、自国通貨の信用が低い新興国・フロンティア国ではビットコイン需要が急増しているそうですし、また先進国でもミレニアル世代はゴールドよりもビットコインを好んでいるみたいな記事をよく目にします。


もしかすると共同幻想はこのまま継続し、ゴールドのように長く続くバブルとなるかもしれません。

投資対象としては役に立たないコモディティのほうが良いのでは

ゴールドは全体の需要のうち産業用は1割以下で、宝飾品需要や投資需要がほとんどです。


産業用需要が多いプラチナはかつてゴールドよりも高値で取引されている時期もありましたが、脱ディーゼルで暴落し、現在はゴールドのほぼ半値となっています。


出典:Denver Gold Group


投資対象として見たコモディティは産業用等で実際に役に立つかどうかよりも、投資需要比率が高いもののほうが魅力的だと思います。

コモディティ価格の超長期の上昇率

Simon Fraser Universityによると、1900~2015年の各コモディティ価格の実質(インフレ調整後)上昇率は以下のようになっています。

 過去記事:コモディティ価格の長期推移


1900-2015年
累積上昇率
1900-2015年
年率上昇率
Petroleum339.45%1.30%
Gold94.75%0.58%
Natural gas92.27%0.57%
Beef81.84%0.52%
Coal71.25%0.47%
Lamb63.43%0.43%
Chromium59.59%0.41%
Platinum46.13%0.33%
Manganese40.68%0.30%
Steel20.45%0.16%
Tin8.37%0.07%
Tobacco-23.43%-0.23%
Iron ore-24.08%-0.24%
Silver-25.16%-0.25%
Copper-28.52%-0.29%
Zinc-28.99%-0.30%
Lead-33.59%-0.36%
Barley-43.74%-0.50%
Nickel-50.17%-0.60%
Phosphate-50.25%-0.61%
Coffee-51.94%-0.64%
Hides-56.82%-0.73%
Rye-58.63%-0.76%
Cottonseed-59.99%-0.79%
Cocoa-67.59%-0.97%
Tea-69.12%-1.02%
Cotton-70.42%-1.05%
Corn-71.79%-1.09%
Bauxite-72.72%-1.12%
Palm oil-73.72%-1.16%
Peanuts-75.50%-1.22%
Wool-78.67%-1.33%
Potash-78.68%-1.33%
Sulfur-79.33%-1.36%
Rice-80.47%-1.41%
Wheat-81.35%-1.45%
Sugar-81.82%-1.47%
Pork-86.42%-1.72%
Aluminum-89.88%-1.97%
Rubber-95.45%-2.65%

石油、ゴールド、天然ガス、牛肉、石炭が大幅に上昇した一方、ゴム、アルミニウム、豚肉、砂糖、小麦は大幅に下落しています。

コモディティは全体として見れば超長期的にはインフレ調整後リターンはゼロに収束するはずですが、個々のコモディティは需給によって100年超の長期に渡って物価を大幅に上回る上昇を続けたり、反対に暴落したりすることもありえます。
(なお、石炭は1975~2015年では-3.96%の下落となっており、石油や天然ガスも直近では大幅に下落しています。)

実際に何かの役に立つコモディティは石炭や(たぶん)今後の石油等エネルギーのように時代の流れとともに使われなくなって価格が大幅に下がることがありますが、役に立たない共同幻想によって成り立っているコモディティは幻想が続く限りは高い価格が保たれるということなんじゃないかなと思います。
(ビットコインの場合は以前Googleの量子コンピューターに関する報道で一時急落したことがあったので、技術的に陳腐化して無価値になるみたいなこともあるのかなと思いますが…)

現在のビットコインの時価総額はゴールドの約40分の1、シルバーの約4分の1です。

出典:CompaniesMarketCap.com


ゴールドの時価総額に並ぶまで上昇するとは思いませんが、よく言われるように運用資産のごく一部をビットコインにして放置しておくのは割と良さそうな気がしています。
(私は特別定額給付金の10万円を突っ込んで現在は資産の0.8%くらいです。)



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コメント

  1. 私は年寄なので、80年代バブルも身をもって知っています。
    90年代末や2000年代初めのリアルタイムの報道なども覚えていますが、
    最近の報道で、当時と比べるとというくだりでも、当時のリアルを知らない人だなと感じます。

    なんというか、相場が過度に抽象的になっていても、そのことに不安を感じない感じがします。
    90年代に日本人や英国人のトレーダーが大損して銀行本体が傾いた事件がありましたが、
    現在のデリバティブなどに比べると先物なので、大変素朴です。

    当時はまだ、デリバティブをヘッジとして使う感覚があって、
    デリバティブが肥大したのは2007年ごろかと思います。
    リーマンショックの処理までは何とか理解出来ましたが、現在の金融はコロナと相まって謎です。
    さらに、相場は謎が付き物ですが、ビットコインの発行者不明ということに不安を感じないのは不思議です。 ネット空間に不信感があるので金融庁もどこまで理解しているやら

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    1. ビットコインの発行者はマイナーなので、仰っているのは管理者がいないという意味だと思いますが、むしろ法定通貨と違って管理者がいないのが買われている理由ですよね。
      価値保蔵手段として劣化しないというのは法定通貨も同じですが、発行上限が予め決まっているという点は優れています。それに加えて上記のような共同幻想で有望なんじゃないかなと個人的には思っています。
      私はビットコインもゴールドも他人が高値で買ってくれないのなら何の意味もないので要らないと思っていますし、どちらも同じようなものだと捉えています。
      ゴールドが永らくバブルを維持できたのならばビットコインもその可能性があるかも、くらいのニュアンスですね。
      ゴールドに比べると共同幻想の歴史が短いので同じくらい成功するとは思っていませんが。

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  2. 共同幻想にもいろいろあると思うのですが、

    1例として、
    カプコン社がサイバー攻撃を受けて、多額のビットコインを出すよう脅迫された事件がありましたが、
    まず私はインターネット空間がどのように管理運営されているのかも分からないし、
    カプコン社への攻撃が表ざたになるなら、銀行から例えば100憶円でも抜かれている事件が表ざたになっていないのではないか、と私は不安がっています。

    個人情報や、三菱電機の軍事機密がしばしば抜かれているのに、
    行政はどうして電子管理や電子通貨を急ぐのか、あまり感覚が追い付いません。

    上記の点は、ネット空間のセキュリティの問題であって、お金とはなんだろうか、という問題とは異なるのですが、
    アメリカ政府だかFRBだか知りませんけれども、8000トンほど持っていると言い張っている金塊が今も安全に管理されているのか、もしかしたら日本人は誰も知らないかもしれません。

    公式にはニクソン・ショックでドルとゴールドの交換を停止して、世界中金兌換が終わったとされています。
    それ以前は具体的で、例えば赤穂浪士討ち入りの後、赤穂藩は、藩札と金銀を交換して解散しています。
    目減りさせて交換したらしいので、1キロしかないのに2キロ分の藩札を発行したとかでしょう。

    財貨の価値は交換比率にすぎないので、初期のプラチナは捨てられたとも言いますし、
    砂漠の真ん中で放り出されたら、金と水を同じ重さで交換するかもしれません。

    ただ、金は貸借関係にはない物体で、ネット上でいつしか抜かれたりしないという点が年寄の私には安心できます。 覇権国が変わるかもという時代ですから

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    1. ゴールドはこれまで長い間高い価格が保たれてきたので、安全に保管する手段があって今後も戦争や天変地異がなければ一番安心でしょうね。
      私も余生を生きていくのに十分すぎるお金があって、安全に保管できるのならば資産の大部分は現物ゴールドにして引きこもるかもしれません。

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  3. ニュースをチラ見しただけなので正確ではないかもですが、
    英国で富裕層の資産を預かって運用しているプライベート・ファンドの一つが、
    目下の時点では何に投資すべきかはっきりしないので、待機しているキャッシュをすべてゴールドにした、というのを見ました。

    お金の歴史は肝心な点は分からない感じですが、天才学者アイザック・ニュートンは晩年、造幣局長官だかに就任して、金銀交換比率を決定するなど、
    意外な分野で経済史の画期に名前が出てきます。

    ポンドが基軸通貨であったというのは不正確で、ポンドと金兌換が保証されているので、
    金のみが正貨という感覚です。

    日本では故意かどうか分かりませんが、金銀は正貨であるという感覚が希薄だと思います。
    それにまつわる大蔵省の大失態事件もあるので、大蔵官僚の感覚も世界標準ではないのかも。

    ともかく、お金を増やすことが目的ではなく、自分に必要な財貨、サービスを得る手段として足りないから私はお金をもう少し増やしたいです。

    コロナ禍と、それ以前からの異常な金融緩和で、これからも手堅い資産が分かりにくい時代ですね。


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    1. インフレ調整後ではマイナス金利が常態化しているので、運用資産の一部をゴールドやビットコインにしているファンドの話はよく聞くようになりましたね。

      金本位制は発行総量に上限があるので強烈なデフレを引き起こし、経済成長を阻害する欠陥制度、というのが世界標準の認識だと思いますので、日本だけでなくどこでもゴールドが正貨であるという感覚はごく少数なんじゃないでしょうか。
      金本位制への回帰を主張している人はビットコインとも親和性が高そうな気がします。
      法定通貨と違って国に勝手に発行量をコントロールされることもなくデフレ的性質があるという点では同じですし、好んでいる人は国への不信感が強そうなイメージです。
      私も不信感はありますが、長期的には株式でインフレヘッジができるので、ゴールドやビットコインをたくさん保有したいという感覚はないですね。

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