台湾はバフェット指数が役に立たないことが分かる良い例


台湾はコロナ禍の2020年でも実質GDP成長率3%超、2021年も4.64%の見通しで、経済の堅調さが際立っています。


下のチャートは台湾のバフェット指数(その国の株式市場の時価総額÷名目GDP)です。2018年までは150%前後で推移していましたが、2019年は192%、2020年は228%と急上昇しています。


出典:CEIC DATA


バフェット指数だけでみると台湾株は割高、ということになってしまいますが、これは台湾最大の企業であるTSMCによるところが大きいです。


台湾の2020年の名目GDPは6,356億ドルですが、TSMCの時価総額は現在7,087億ドルとなっており、TSMC単体でバフェット指数(その国の株式市場の時価総額÷名目GDP)は100%を超えてしまっています。


TSMCの時価総額推移  出典:Zacks

出典:世界経済のネタ帳


バフェット指数は分母にGDPを使っているため、海外売上高比率が高い企業が多い国は割高になりますし、反対に国営企業など非上場企業比率が高い新興国は割安ということになってしまいます。

 過去記事:世界各国のバフェット指標を確認できるサイト

また、仮に世界全体のGDPと非上場企業を含めた全企業の時価総額を比べたとしても、PSRの単純な推移を見て割安・割高を判断できないのと同じであまり意味はなさそうな気がします。

 過去記事:バフェット指標とPSRは似ている


バフェット指数を投資判断に使う人はあまりいないかと思いますが、色々と使いにくい指標だと思います。




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