2015年来のパフォーマンスはロシア株>米国株


低CAPE戦略は長らく上手くいっておらず、バリューが一時的に息を吹き返した局面でも大して上がりませんでした。
 過去記事:低CAPE・バリュー株と長期金利

しかし、低CAPE国のなかでもロシア株は高パフォーマンスを残しており、2015年以降(2015/01~2021/07)では全世界株(VT)だけではなく、米国株(S&P500)をも上回っています。

出典:Portfolio Visualizer

低CAPE戦略はあまり機能していなくても、個別の国に目を向けるとCAPEレシオが低いほどその後のリターンが良くなる傾向は変わっていません。

ロシアのCAPE利回りとその後10年間のグロスリターン(ドル建て)の散布図を作ると以下のようになります。
※CAPEレシオはShiller Barclays CAPE Indices、グロスリターン指数(ドル建て)はMSCIのデータを使っています。なお、上記記事ではインフレ調整後ですが、下グラフは名目リターンです。
期間を3年にしてもやはり同様の傾向が見られます。
リーマンショック以降ではロシア等の停滞している新興国株は恒常的に低CAPEですし、米国等の成長できている国は常に高CAPEなので、世界各国のうちCAPEレシオが低い25%の国に投資、みたいな戦略は機能していませんが、ある国のCAPEレシオが過去の水準よりも低いときに投資すれば比較的上手くいっているように思えます。

最近のトルコやナイジェリアのように過去最低水準を更新して下がる続けるような場合もありますが、今後10年間ではトルコやナイジェリアはきっと十分に高いリターンが得られるのではと思っています。


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