年初来ではコモディティ(金属除く)以外は全部ゴミに


今年は日本人としてはただ米ドルを持っているだけで日本のインフレには余裕で勝てていますが、米ドルもアメリカのインフレで調整すれば実質マイナスなので、ほぼすべてのアセットが購買力を失っていることになります。

下表とグラフは主要なアセットの年初来パフォーマンスを名目と実質(2021年12月→2022年5月のCPIで計算)で表したものです。

アセットティッカーYTD
(名目)
YTD
(実質)
天然ガスUNG146.7%142.7%
原油USO64.0%59.9%
コーンCORN32.8%28.8%
大豆SOYB24.7%20.7%
農産物DBA9.8%5.7%
ゴールドGLD0.1%-4.0%
工業用金属DBB-1.5%-5.5%
プラチナPPLT-3.2%-7.2%
短期社債VCSH-7.1%-11.2%
シルバーSLV-8.6%-12.7%
米バリュー株VTV-10.0%-14.0%
物価連動国債TIP-11.1%-15.1%
総合債券BND-13.1%-17.1%
ハイイールド社債HYG-16.0%-20.1%
ダウ平均DIA-16.1%-20.1%
先進国VEA-18.5%-22.6%
投資適格社債LQD-18.6%-22.7%
米小型株IJR-18.9%-22.9%
新興国EEM-19.1%-23.2%
米中型株IJH-19.2%-23.3%
全世界(米除く)ACWX-19.3%-23.4%
全世界国債(米除く)BWX-19.5%-23.6%
EAFEIEFA-21.1%-25.2%
S&P500SPY-21.2%-25.3%
全世界ACWI-21.3%-25.3%
米超小型株IWC-24.2%-28.3%
長期国債TLT-25.5%-29.5%
ナスダック100QQQ-31.2%-35.3%
超長期国債EDV-31.6%-35.7%
米グロース株VUG-32.3%-36.4%
ビットコインBTCUSD-52.3%-56.3%

現時点(6/13終値)では実質ベースでプラスなのはエネルギーと農産物だけで、コモディティでも貴金属と工業用金属もマイナスです。

2020年レイ・ダリオが"Cash is trash"という名言を残したのは記憶に新しいですが、今年はコモディティ(ただし金属は除く)以外は全部ゴミと化しています。まだ残り約半年あるので通年ではどうなるかは分かりませんが…

そういえば最初にレイ・ダリオのオールシーズンズ・ポートフォリオを知ったときにはコモディティは高コストなので全部ゴールドETFでも大して変わらないのでは?と思った気がしますが、ゴールドもゴミ化してコモディティだけが輝くときもあるので組み入れる意義はあるんだなと思い直しました。

そしてビットコイン…

ちなみに過去3年(名目のみ)では以下のようになっています。
ビットコインがぶっちぎっているのは言うまでもないですが、大豆とコーンもめちゃくちゃ強いですね…

大幅に下落してしまった米長期国債ですが、年初はマイナス圏に沈んでいた実質イールドカーブも今では完全にプラスに戻っており、今から保有するぶんには満期まで持てばとりあえずはインフレに勝てる(=ゴミ脱出)状態になっています。

今後2~3年くらいでは再び大豆やコーンがゴミ化して長期国債が輝いているかもしれません。





よろしければ応援クリックお願いします
にほんブログ村 株ブログ 米国株へ

コメント

  1. 私の場合、金現物が時価総額の八割を占めており(残りはほぼ石油株)、税金や貸金庫に入れている等の関係で機動的に売買せず(出すのがメンドクサイ)、20年程、使えない核兵器と同じ状態になっています(笑)。
    子供の学費と定年後の生活費のために売却する予定ですが、果たして金が歴史的な価値を保てるか、それともプラチナのように単なるゴミと化すか、神のみぞ知るところなのでしょう。

    返信削除
    返信
    1. プラチナもゴールドよりは悪いとはいえ円預金よりは長期でみれば良いでしょうし、ゴールドも他の価値保存手段に多少需要を奪われるとしても長期のインフレヘッジとしては良さそうな気がしますね。

      削除

コメントを投稿