日本人こそバケツ戦略の意義が高そうな気がする


4%ルールは有名ですが、これはドル建てで米国株に投資しているアメリカ人にとってはそれなりに大丈夫でも、円建てで投資している日本人にとっては為替リスク分ボラティリティが上乗せされてしまうので破産確率は若干上がってしまうはずです。

以前4%取り崩しでの破産確率を調べてみたことがあるのですが、円建ての破産確率はドル建てと比べてどのPFでもかなり高めに出てしまい、特に債券を組み入れた60/40ポートフォリオやレイ・ダリオの有名なオールシーズンズ・ポートフォリオ、パーマネント・ポートフォリオのような低リスクなPFは為替リスクの影響がかなり大きく出てしまって破産確率は株式100%よりも大幅に高くなっていました。



日本人にとっては米国債を組み入れるメリットがアメリカ人に比べてかなり薄くなってしまっているので組み入れるとしても少しで良いんじゃないかなと私は思っているんですよね。
(日本国債利回りも高くなってきているので為替リスクのない日本国債を組み入れたりするとまた別なのかもしれませんが、それでも実質金利があまりにも低すぎるので個人的には微妙な気がしています。)

日本人の場合は基本的には株式比率が高い状態のほうがリタイアしやすいはずですが、それでもアメリカ人に比べると破産確率は高めになってしまうので、シーケンスリスクをカバーするために生活費9年分相当の債券・キャッシュを保有して残りは株式等のリスク資産で保有するバケツ戦略はかなり向いているんじゃないかなと最近改めて考えています。

問題点としてはバッファとして置いている資金が大きすぎるので長期バケツ分を貯めたうえにさらに生活費9年分相当の短期・中期バケツを確保するのが時間がかかるというところですね…

私の場合は有配の株式も割とあるのでバケツ戦略をそのまま使わず、短期・中期バケツは9年分よりももっと少なくても良いんじゃないかなとは思ってはいます。
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コメント

  1. reonaldさん  いつも興味深く読ませて頂いております。
    4%ルールは、私もリタイア年齢が近づくにつれて気になっており、手元で過去データを分析してみていますが、その中で考えた点は:
    ・当初資産額の4%を常に取り崩すと、市況下落時に運用資産額が小さくなるケースでは負担が重たくなりすぎる。そこで、当初資産額を下回る場合などには取崩し額を少し小さく(たとえば3%)すれば、破綻リスクはだいぶ小さくなるはず。
    ・株式の長期リターンは、企業の収益率(特にROE)の影響が大きくなるはずですが、近年はROE水準が上昇している気がしますので、過去よりも高い株式リターンが期待できるのかもしれない。
    ・リタイア後の生活資金はドルベースと考えてしまい、円高になれば慎ましく暮らし、円安になれば豪華に暮らす、というような発想の転換も有効かもしれません。
    ・これまで、「債券に資金を割り当てるなんてもったいない」と思っていましたが、価格変動リスクを抑制できるなら一部の資金を振り向けるのもアリかも?
    これらの観点から、もう少し、分析を続けてみようと思っています。

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    1. 市況が悪いときには取り崩し額を減らすとか働ける場合はバイトでもするとかそういう対応をとれば破産確率はかなり下がりそうではありますよね。
      私はなるべくバイトでもやりたくないので取り崩し額を下げて対応したいですが…
      債券は私も昔はいらないかなあと思っていましたが、今のところはバケツ戦略では必要かなと思っています。
      ただ、株式の長期リターンについてはバリュエーションが歴史的にみて高い水準になっていることから、足元の高リターンは将来リターンの先食いで、今後しばらくは低リターンを覚悟しておいたほうがいいのかなと思っています。

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