下がり続けるPAK(グローバルX MSCIパキスタンETF)


バリュエーションが低く、かつ今後高い人口増加率が見込める国として、パキスタン株ETFのPAK(グローバルX MSCIパキスタンETF)に注目しています。
(過去記事:PAK(グローバルX MSCIパキスタンETF)

PAKの株価は2年以上に渡って右肩下がりを続けており、年初来でも全世界(VT)が+9.8%、新興国(VWO)が+2.4%、フロンティア(FM)が+9.9%と上昇しているなか、PAKは-28%と逆行して下がり続けています。
(ずっと下がっているせいか、この数日の下落は他よりもマイルドなようです。)


上記記事を書いた2019年3月頃でもかなり割安なんじゃないかなと思っていましたが、2019年7月末時点では実績PER6.80、予想PER5.45、PBR0.96、配当利回り8.10%とさらに安くなっています。

出典:MSCI All Pakistan Select 25/50 Index

IMF支援下の緊縮財政と高インフレ、低成長

パキスタンはIMF支援の条件として緊縮財政を強いられており、7月には国営ガス企業の収支改善のために国内ガス料金が最大2倍に引き上げられたそうです。
(参考記事:パキスタン、ガス料金2倍 IMF支援の条件(日本経済新聞)

インフレ率は2018年頃から右肩上がりで、2019年7月には10.3%まで上昇しています。パキスタンの政策金利は7月に100bps引き上げられて現在は13.25%ですが、インフレが落ち着かないようだと更に利上げする必要が出てくるかもしれません。
出典:Trading Economics

実質GDP成長率は2019年から大きく減速し、IMFによる予測では2020年と2021年が2.8%、2022年が2.7%としばらくは低迷する見込みです。
出典:IMF

パキスタン株の適正PER

ニューヨーク大学アスワス・ダモダラン教授によると、2019年1月時点のパキスタンの株式リスクプレミアムは14.99%と非常に高いです。カントリーETFが存在する国では最も高いんじゃないかなと思います。
(過去記事:世界各国のカントリーリスクプレミアム

無リスク金利=2.007%(2019年7月末時点の米10年国債利回り)、成長率を悲観的に見積もって0%とすると、適正PERは

  PER=1/(割引率-成長率)
    =1/(無リスク金利+株式リスクプレミアム-成長率)
       =1/(2.007%+14.99%)
       =5.88

となります。

成長率を2%とすると適正PERは6.67、成長率4%とすると7.69です。

7月末時点の実績PERは6.80、予想PERは5.45だったので、高いカントリーリスクを考慮するとまあ適正水準なのかなという感じですね。

ナイジェリア株のほうが割安?

PAKと同じく低バリュエーションかつ人口増加国としてはNGE(グローバルX MSCIナイジェリアETF)を保有しています。

ナイジェリアの株式リスクプレミアムは13.60%とパキスタンよりもやや低く、かつ低PERなので、現状ではこちらのほうが良いかなと思えます。

出典:MSCI All Nigeria Select 25/50 Index

実質GDP成長率がしばらく低迷しそうなのはどちらも同じですが・・・
出典:IMF

買うとしてもサクソバンク証券が特定口座対応してからですし、もうしばらく様子見してみようと思います。


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