CAPEレシオから今後10年間の実質トータルリターンを予測してみる


先日、S&P500のCAPEレシオから今後10年間の実質トータルリターンを予測する近似式を計算しました。
(考え方として合っているのか分かりませんが、詳しくは下記記事をご参照ください。)
 過去記事:トータルリターンベースのCAPEレシオ「alternative version of CAPE」について

今回は他の国(日本、英国、中国、韓国、ポーランド、ロシア、トルコ)についても同様に計算してみました。

各国のCAPEレシオはShiller Barclays CAPE Indices、トータルリターン指数(ドル建て)はMSCI、CPIはFREDのデータを使っています。
 過去記事:世界各国のCAPEレシオ(シラーPER)が見られる3サイト
 過去記事:MSCI指数データのダウンロード方法

CAPEレシオとその後10年間の実質トータルリターンの散布図

まずはGoogleスプレッドシートで横軸にCAPEレシオ、縦軸にその後10年間の実質トータルリターン(米ドル建て)の散布図を作成し、トレンドラインを引きます。
(S&P500と比べると期間が短いですし、現地通貨建てではなく米ドル建ての実質リターンなので為替変動の影響も大きそうですが・・・)

日本

トレンドラインの方程式は-0.00156×CAPE+0.0859です。

英国

トレンドラインの方程式は-0.00753×CAPE+0.199です。

中国

トレンドラインの方程式は-0.00269×CAPE+0.126です。

韓国

トレンドラインの方程式は-0.00569×CAPE+0.159です。

ポーランド

トレンドラインの方程式は-0.0061×CAPE+0.12です。

ロシア

トレンドラインの方程式は-0.00696×CAPE+0.0878です。

トルコ

トレンドラインの方程式は-0.0111×CAPE+0.222です。

現在のCAPEレシオから予測される今後10年間の実質トータルリターン

このトレンドラインの方程式を使って、現在のCAPEレシオから予測される今後10年間の実質トータルリターン(米ドル建て)を計算してみました。なお、CAPEレシオは2019年8月末時点のResearch Affiliatesのデータを使っています。

近似式CAPE予測リターン
日本-0.00156×CAPE+0.085920.75.4%
英国-0.00753×CAPE+0.19914.49.1%
中国-0.00269×CAPE+0.12612.69.2%
韓国-0.00569×CAPE+0.15910.89.8%
ポーランド-0.0061×CAPE+0.1210.45.7%
ロシア-0.00696×CAPE+0.08787.13.8%
トルコ-0.0111×CAPE+0.2227.414.0%

Research Affiliatesの期待リターンとの比較

Research Affiliatesでは各国の期待リターンのデータが載っているので、今回CAPEレシオから計算したリターンと比べてみました。
 過去記事:世界各国の時系列CAPEレシオ(シラーPER)が見られるサイト

CAPEResearch
Affiliates
日本5.4%4.6%
英国9.1%7.2%
中国9.2%7.4%
韓国9.8%8.8%
ポーランド5.7%9.0%
ロシア3.8%13.8%
トルコ14.0%13.0%

大体は今回CAPEレシオから計算したリターンのほうが高めに出ていますが、ロシアとポーランドはかなり低い数字になっていますね。


今回の式は期間も短いですし、そもそも単純に1次方程式で近似できるものなのかもよく分からないので、あまり実用性はなさそうです。

ただ、国によって適正と思われるCAPEレシオの水準が違うので、国同士を比較するときには今回みたいに過去のCAPEレシオとリターンを見比べてみると参考にはなるかなと思いました。


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