脳死ホールドか、適宜入れ替えるか



ジェレミー・シーゲル著「株式投資の未来」には、S&P500は初期の銘柄のまま入れ替えをしなかったほうがリターンは高かった、みたいなことが書かれていたかと思います。


これは個人的にはかなり納得感があったので大型優良株を買ったら株価が下がろうが脳死ホールドしたほうが良さそうと長らく思っていたのですが、今はだめそうな雰囲気を感じたら適宜入れ替えたほうが良いのではと考え直しています。

最近のダウ平均の入れ替えはうまくいっている

超長期のS&P500はたしかに入れ替えなかったほうがパフォーマンスが良かったのかもしれませんが、最近のダウ平均は入れ替えなかったらひどくアンダーパフォームしていたと思われます。


たとえば、過去20年間のダウ平均の採用・除外銘柄のパフォーマンスを調べてみると、採用銘柄は除外銘柄よりも概ね良いパフォーマンスを残しています。

 過去記事:ダウ平均の採用・除外銘柄のパフォーマンス(過去20年間)


指数の入れ替えはだいたいパフォーマンスが悪い銘柄から良い銘柄に乗り換える感じになると思いますし、採用銘柄の先回り買い等もあるので短期的には安値売り&高値掴みになりがちかもしれませんが、ある程度時間が経つと新たに採用した銘柄のほうが強くなる傾向があるような気がします。

(直近の入れ替えではXOM(エクソン・モービル)安値売り&CRM(セールスフォース・ドットコム)高値掴みで現時点では入れ替えなかったほうが良かったことになります。S&P500でも直近のAIV(アパートメント・インベストメント・アンド・マネジメント)安値売り&TSLA(テスラ)高値掴みはパフォーマンスを押し下げています。)


結局のところ、長期で見ればバリュエーション寄与分はそれほど大きなものではなくなるので、多少高値掴みでも選択が良ければうまくいってるんだろうなと思っています。


また、1985年のダウ平均構成銘柄のパフォーマンスを調べてみたことがあるのですが、これも当初の銘柄の多くは指数を下回っていました。

 過去記事:1985年のNYダウ構成銘柄のパフォーマンスを調べてみた

銘柄入れ替えをしない猿のダーツ投げ

一方で、2000年のフォーチュン500のなかからランダムに5銘柄×10組を選んで20年間のパフォーマンスを調べるというのを以前やってみたことがあるのですが、これはほとんどが指数よりも良いパフォーマンスになりました。

 過去記事:フォーチュン500で猿のダーツ投げを試してみる(過去20年間)


これはPortfolio Visualizerを使って調べたので非上場企業や倒産した企業が含まれる場合はもう一度選び直していますし、途中で買収された銘柄については、最初から買収した側の銘柄を保有していたものとしています。


そのため実際に猿のダーツ投げをやって銘柄入れ替えをせずに得られたリターンとは異なりますが、それを加味したうえでもかなり結果は良かったので、大型株の場合は脳死ホールドでもそれほど問題なさそうな気もします。


ただ、ジェレミー・シーゲルのS&P500は当初のまま入れ替えなかったほうがパフォーマンスが良かったというのも、たまたま起点年のポートフォリオが強かっただけで毎年調べてみたら普通に入れ替えたほうがうまくいっている可能性もあるので、S&P500の採用銘柄・除外銘柄を全部調べてみるとまた違った結果になるかもしれません。




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