しかし、モンテカルロ法では過去データに当てはめた場合よりも破綻確率がかなり高めに出てしまうため、今回は歴史上でリタイアするのに最も向いていないであろう世界恐慌前夜(1929年9月)からのS&P500のリタイアシミュレーションを作ってみました。
※経済学者アーヴィング・フィッシャーが有名な「株価は、恒久的に高い高原のようなものに到達した」との予言を行った数週間後の1929年10月24日、のちに暗黒の木曜日と呼ばれるこの日から史上最悪の大暴落が始まりました。
世界恐慌前夜(1929年9月)からのリタイアシミュレーション
multpl.comのデータを使って作成したS&P500の実質トータルリターン指数を使って、世界恐慌前夜(1929年9月)からのリタイアシミュレーションを作成してみました。
4%取り崩し
まずは毎年開始時元本の4%(インフレ調整後)ずつ取り崩した場合です。取り崩し額を年間$12,000(毎月$1,000)とすると、開始時元本は$300,000となります。
実質預金金利ゼロで預金していたら25年間は持ちますが、S&P500に投資していたら1946年3月(16年半)までしか持ちませんでした。
3%取り崩し
次は毎年開始時元本の3%(インフレ調整後)ずつ取り崩した場合です。取り崩し額を年間$12,000(毎月$1,000)とすると、開始時元本は$400,000となります。
3%取り崩しでは1964年9月(35年)持ちました。実質預金金利ゼロの預金よりは2年弱長く維持できていることになります。
2.75%取り崩し
次は毎年開始時元本の2.75%(インフレ調整後)ずつ取り崩した場合です。取り崩し額を年間$12,000(毎月$1,000)とすると、開始時元本は$436,364となります。
2.73%取り崩し
次は毎年開始時元本の2.73%(インフレ調整後)ずつ取り崩した場合です。取り崩し額を年間$12,000(毎月$1,000)とすると、開始時元本は$439,560となります。
とはいえ、1932年6月には$100,000を割り込んでいるので、実際にこれを体験していたらストレスがやばそうですね…
2.7%取り崩し
2021年7月現在では$1,901,704となっており、これは確実に永続できそうです。
ただし、これは米ドル建ての実質グロスリターンを基に計算しているので、日本人の場合は為替リスク、税金、手数料を考慮する必要があります。
手数料は長期投資の場合はそれほど考えなくても良さそうですが、為替リスクと税金はかなり大きいです。税金はアメリカと日本でどれくらい違うのかはよく分かりませんが、為替リスクは確実に日本人のほうが不利になると思います。
個人的には税引き後配当利回り2%くらいの減配リスクが少なそうなポートフォリオで、配当のみで生活できるレベルになったらリタイア、みたいなのが私の頭にも直感的に分かりやすくて好きです。
(私の場合は外国株中心なので現地通貨建てでは減配しなくてもクロス円が下落したら実質減配になるのですが…)
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