バンクオブアメリカがS&P500について、今後10年間のリターンがマイナスになると予想しているそうです。
どのように計算しているのかは知りませんが、かんたんにCAPE利回りや家計金融資産の株式比率から計算してみても今後10年間はマイナスとなってしまいます。
過去記事:1990年以降のCAPE利回りと10年後の実質リターン
過去記事:家計金融資産の株式比率が上昇すると将来のリターンは低下する
しかし、もっと単純に考えてみると今後10年間がマイナスリターンというのはかなり悲観的すぎるように思えます。
Yardeni Researchによると、現時点のS&P500のForward EPSは214.4だそうです。
出典:Yardeni Research |
これが今までと同じく年率7%で成長する場合、10年後のS&P500のForward EPSは421.76、仮に名目株価上昇率がゼロだったとするとForward P/Eは10.61になります。
保守的に年率4%成長とした場合では、10年後のS&P500のForward EPSは317.36、同じく名目株価上昇率がゼロとしたときのForward P/Eは14.09になります。
出典:Yardeni Research |
楽観的にForward P/Eが20、Forward EPSは421.76(年率7%成長)とした場合の10年後のS&P500は8,435.20、保守的にForward P/Eが16、Forward EPSは317.36(年率4%成長)とした場合の10年後のS&P500は5,077.76になります。
現在のS&P500の配当利回りは1.29%とインフレ率を下回っているので、上記の楽観的な方でも実質リターンは過去平均の7%弱を下回ることになりますが、実質ベースでマイナスというのは現状の低金利環境からはなかなか想像できないと思ってしまいます。
個人的には株式リスクプレミアムは人間の本能的なもので変わらないとしても低金利トレンドは趨勢的なもので今後割引率が大きく上昇することはなさそうと思っているので、なんだかんだで今後10年間のS&P500も低いとはいえプラスリターンとなるのではと楽観しています。
過去記事:割引率は趨勢的に低下しそうな気がする
過去記事:頻繁に繰り返される暴落論を見るとリスクプレミアム縮小を心配する必要はなさそう
そして低リターンを許容できない場合はたとえば中国株みたいに高いカントリーリスクを引き受ける必要がある訳で、大半の人にとっては米国株は引き続き魅力的な資産であり続けるのではと思っています。
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