Twitter(X)で2022年のミリオネアの移民フローを見かけたので2023年はどうなるんだろうと調べてみたらこんなグラフがありました。
出典:Henley & Partners |
2023年は流出上位5位が中国、インド、イギリス、ロシア、ブラジル、流入上位5位がオーストラリア、UAE、シンガポール、アメリカ、スイスとなっています。日本は2022年が-100、2023年が-300です。
2019年はこんな感じだったようです。
出典:Henley & Partners |
顔ぶれはそこまで変わっていませんが、2019年→2022年・2023年ではUAEとシンガポールの流入が特に増えていて、フランスが流出から流入に転じています。
ミリオネアの移民フローと法の支配、私有財産権
ウィリアム・バーンスタイン著『 「豊かさ」の誕生』によると、近現代の持続的な経済成長の源泉は「私有財産権(法の支配)」「科学的合理主義」「資本市場」「輸送・通信技術」の4要素にあり、どれかひとつが欠けていてもうまくいかないそうです。
現代においては特に私有財産権の差が大きく、また昨今の情勢ではより重要性が増しているんじゃないかなと思いますが、ミリオネアの移民フローを見ていてもBrexitの影響を受けていそうなイギリス以外はだいたいそんな気がします。イギリスは株式も先進国のなかでは割と際立って低CAPEですし取り残されている感が強いですね…
過去記事:法の支配、私有財産権の重要性
以前取り上げたWJP Rule of Law Index(法の支配指数)を見てみると、指数が高いのに流出になっているイギリス、香港、韓国、日本、指数が低いのに流入になっているモロッコなど多少の例外はあるものの、だいたいは指数が低い国ほど流出が多い傾向にあります。
過去記事:法の支配指数とCAPEレシオ
このところは一部でBRICSを推す人が増えている感じがしますが、どこもミリオネアは流出していますし、法の支配指数は南アフリカ以外はかなり低いです。
投資においてはミリオネア流出国のうち中露はかなり不人気というかロシアはそもそも投資不可能になっていますが、人気のあるインドもやはり法の支配や私有財産権が確立されておらずかつ高バリュエーションというところで微妙かなと個人的には思っています。
当ブログは元々は新興国推しだったのですが、最近はバリュエーション上で魅力的に映っても手堅く先進国多めにしておいたほうがいいかなと思っているところです。
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