(過去記事:CAPEレシオが低い国への投資は米国株をアウトパフォーム)
現在の下位25%のうち、国内ネット証券で取扱いのある国はロシア、トルコ、ポーランド、ブラジル、シンガポール、韓国の6国です。今のところ、ERUS(iシェアーズ MSCI ロシアETF)とTUR(iシェアーズ MSCI トルコ ETF)、EPOL(iシェアーズ MSCI ポーランドETF)については記事にしているので、今回はブラジル株ETFのEWZ(iシェアーズ MSCI ブラジルETF)についてです。
EWZは2018年初にジェフリー・ガンドラックがコモディティ高を理由に推奨しており、7月のバロンズでも非常に割安で選好度を強めていると発言していました。
(参考記事:ガンドラックが推奨する2銘柄(The Financial Pointer))
EWZ(iシェアーズ MSCI ブラジルETF)
EWZの経費率は0.62%と高いですが、iシェアーズの単一国株式ETFのなかでは標準的だと思います。PERは14.45でVWOよりもやや低いですが、ブラジルの10年国債利回りは11%超と高いため、イールドスプレッド(株式益利回り-10年国債利回り)でみると割高ということになります。※表はETF.comのデータです。(2018年8月16日時点)
セクター比率
素材とエネルギーセクターの比率が高めです。組入上位銘柄
新興国株では珍しく、ヴァーレ、イタウ・ウニバンコ、ペトロブラス、BUD(アンハイザー・ブッシュ・インベブ)子会社のアンベブなど聞いたことのある社名が多いです。ティッカーの後ろに3が付いているのが普通株、4が付いているのが優先株のようです。優先株は議決権がない代わりに高配当ということだと思いますが、たとえばITUB4は配当利回り6.14%に対して、ITUB3は6.94%で、何故か優先株のほうが低利回りになっていたりします。
経常収支(対GDP比)推移
出典:世界経済のネタ帳
コモディティ価格が高いとき以外は基本的には経常赤字になっているようですが、最近では赤字幅が小さくなっています。
インフレ率推移
出典:世界経済のネタ帳
デフォルトに伴って3,000%近いハイパーインフレが起きているようですが、最近は落ち着いてきています。
出典:世界経済のネタ帳
MSCIブラジルの過去パフォーマンス
出典:MSCI BRAZIL INDEX (USD)
MSCI Brazilの2000年12月末~2018年7月末の年率ネットリターンは9.06%で、MSCI Emerging Markets(9.55%)には及びませんが、MSCI ACWI(5.40%)は上回っています。また、ボラティリティが非常に大きく、2008年5月19日~2016年1月21日には76.36%も下落しています。
MSCIブラジルの時系列CAPEレシオ
2004年以降のCAPEレシオの中央値は13.6、最小値は6.4、最大値は28.5、Research Affiliatesが算出するCAPEレシオのフェアバリューは13.7です。2018年7月末現在のCAPEレシオは12.2なのでやや割安です。
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