インデックス脳死ホールドは能天気すぎるのか


最近はインデックスファンドを買う人が増えてきているように感じますが、それに対して、インデックスを買って寝ていれば年7%とか年4%儲かると考えるのは能天気すぎると批判的な人もいます。

金利上昇サイクルの株式リターンは良くない

たしかに数十年くらいのスパンで考えた場合、資産価格に好影響を及ぼす長期金利低下サイクルに比べると、長期金利上昇サイクルでは株式のリターンは悪い(債券も金利上昇のなかなので当然悪い)です。

 過去記事:長期金利上昇局面と低下局面における米国株のリターン

 過去記事:長期金利上昇局面ではバリュエーションが縮小する


約40年間にわたって続いた長期金利低下サイクルが終わって、今は長期金利上昇サイクルの始めにいる(さらにグローバルな高齢化によるインフレ&金利上昇圧力が加わる)とするならば、たしかに今からインデックス投資を始める人のリターンはそれほど満足のいくものにはならないかもしれません。

 過去記事:高齢化は金利低下要因なのか、上昇要因なのか


まあこれはもっと長い目(数千年とか)でみれば趨勢的にずっと低下し続けているそうですし、1970〜1980年頃が異常だっただけという見方もできると思います。

 過去記事:金利は超長期では下落トレンドが続いている

過去200年にわたってうまくいっていたからといって今後も同じとは限らない

株式で高リターンを得られると思い込んでいる私たちはクリスマスに首を切られる七面鳥と同じ説。


ある七面鳥が毎日9時に餌を与えられていた。それは、あたたかな日にも寒い日にも雨の日にも晴れの日にも9時であることが観察された。そこでこの七面鳥はついにそれを一般化し、餌は9時になると出てくるという法則を確立した。

そして、クリスマスの前日、9時が近くなった時、七面鳥は餌が出てくると思い喜んだが、餌を与えられることはなく、かわりに首を切られてしまった。

引用:Wikipedia


私たちが能天気な七面鳥でないと言い切ることはできませんが、インフレ調整後で年率7%のリターンは米国に限らず、ある程度平和で資本主義が正常に機能している国では普通だったことを踏まえると、今後も同じくらいを期待しても良いんじゃないかなと楽観しています。

 過去記事:長期上昇トレンドへの信仰心

 過去記事:法の支配、私有財産権の重要性


基本的に株価には実質ベースで年率7%程度の期待リターンが織り込まれているので、予想通りであれば年率7%程度のリターンが得られる一方で、戦争で打撃を受けるなど予想を大幅に下回るとリターンも大幅に悪化したり、戦後の日本のように予想を上回れば一時的に7%超のリターンが得られたり(そして最後には期待が高すぎたので長期停滞)、みたいなイメージです。


衰退していく日本でも衰退がきちんと織り込まれていてそのまま予想通りで推移していけば長期ではやはり年率7%程度のリターンが得られるでしょうし、予想よりも衰退が緩やかであれば、予想通りだった米国株をアウトパフォームすることも普通に考えられると思います。


私の考えでは、資本主義が正常に続けば株式は今後も長期では実質7%弱のリターンを生み出し続けるので、脳死ホールドはやはり良い選択肢だと思っています。


うまくいかないならゴールドやビットコイン等のSoV、電気さえなくなるレベルならゴールドか武器(筋肉?)とかに投資しておく感じでしょうか。ゴールドやビットコインは世界のGDPに連動するので資本主義がうまくいかなければ購買力も下がる訳ですが…

 過去記事:ゴールドの時価総額と世界のGDP


まあ平和な環境で労働しているだけでも生きているのが辛いからFIREしたいと言っている私のような人間が、株式が正常なリターンを生み出せないような環境下に置かれて生存できるとは思えません。


脳死ホールドが失敗して破産するような世界線では株式以外のもので何とかして資産保全に成功したとしても意味がなさそうなので、私は株式と心中する覚悟で脳死ホールドしていくつもりです。




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コメント

  1. お疲れ様です。株式インデックスが壊滅的な時期と正常な時期どちらを重視して投資しますか?という問いになるかと思ってます。10,20%壊滅側に賭けても意味あるのか?と思ってしまうのですが、そんな効果あるんですかね?

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    1. 極端な壊滅側の場合は金融資産は無意味になるとするとなんらかの実物資産に投資しておくことになると思いますが、そもそも法の支配がなくなって私有財産を保持できなくなれば持ってても意味ないですしね…
      農地と武器を持っていても日本では可能な武装に限りがあるので集団で強盗に来られたら防衛できないですし。

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